薬剤師の数と需給バランス

薬剤師の数は、平成24年で28万人を超えており、人口10万当たり156人となっています。

これは、OECD(経済協力開発機構)の中で1位の数値となっており、33か国平均の77人と比較しても日本にはたくさんの薬剤師がいることが分かります。

現在は、薬剤師の需要はまだまだ多く、売り手市場として幅広い選択肢の中からキャリアを選ぶことが可能です。

地域によっては需給バランスに差はあるものの、薬剤師の過不足問題が直ちに顕在化するとは考えられない状況です。

ただし、2015年は最初の6年制薬剤師が3年間の実務経験を得て転職を検討するタイミングとなっているため、転職市場は競争が激化すると予測されています。

薬剤師業界の動向、過剰時代は来るのか?

直近の薬剤師には影響が少ないものの、今後の薬剤師業界の展望としては売り手市場から買い手市場へ逆転してしまうと予測されています。

これは、薬科大学や薬学部の新設が相次ぎ定員が増加していることが主な要因となっており、今後も薬剤師の数は増加していくと、2022年には需給バランスが逆転されると言われています。

そして、薬剤師問題検討会がまとめた「薬剤師需給の予測について」によれば、2027年には薬剤師の数は40万人にまで増加し、11万人もの余剰が生じると指摘されています。

登録販売者制度の誕生により、第一類医薬品以外なら一般用医薬品を販売できるようになったため、その分、ドラッグストアでの薬剤師の需要が減少していることも需給バランスに大きく影響しています。

しかし、6割の女性が活躍する薬剤師業界では、結婚や出産を機に離職している人も多く、さらには社会情勢によっても需給バランスは変化してくるため、需給バランスは慎重に見極めていく必要があります。

薬剤師の活躍の場は拡大中

超高齢化社会の日本では、薬剤師の活躍の場や求められるスキルも多様化しており、今後は介護の知識や資格など、付加価値を付けることで選択肢を広げることが可能と予想されています。

入院医療から在宅医療へのシフト、および高齢化社会が進んでいることから、在宅患者への薬剤師による訪問服薬管理指導が増加しており、大手調剤薬局を筆頭に在宅サービスに力を入れ始めています。

また、病院でも病床数が減少傾向にあるものの、従事する薬剤師の数は増加しており、病棟常駐、チーム医療の重要性、外来化学療法の普及により需要は高まっています。

このように従来の調剤業務から薬物治療の関与へと業務内容が広がっているため、活躍の場は広がっています

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